高機能中性子鏡製造装置

Neutron Mirror Fabrication System

高機能中性子鏡製造装置はイオンビームスパッタ装置(KUR-IBS)及び大面積蒸着装置(LVE)の2台で構成される。IBSは高品質・極博多層薄膜を製造することができ、世界最高反射角のワイドバンド中性子多層膜モノクロメータや曲面のスーパーミラー等も製作可能であり、当研究所のみならず、J-PARC MLFやJRR-3等、大型中性子施設へキーデバイスとして中性子ミラーを供給、共同利用研究を推進している。LVEは電子ビームによる蒸着装置であり、世界最初の本格的なスーパーミラー導管(KUR B-4)建設に利用された。現在は中性子ミラーよりも希少試料をはじめとする汎用大面積製膜に利用されている。

イオンビームスパッタ装置

本装置は、誘導コイルによって励起したプラズマをグリッドに印加した電圧を用いてイオンビームとして引き出し、それを成膜材料に照射することによって、試料基板上に高精度な薄膜を成膜する装置である。ターゲットは最大6種類まで取り付けることができ、それらの材質を交互に積層することができる。試料基板の取り付け可能サイズは直径480 mm程度であり、広い範囲で均一な厚みを成膜することで、中性子ガイド管用の中性子ミラー製作も可能である。さらに回転楕円面などの曲面への多層膜成膜も可能である。また、基板に磁気バイアスを印加することができ、磁性膜に磁気配向を持たせることも可能である。
イオンビームスパッタ装置
イオンビームスパッタ装置

大面積蒸着装置

電子ビームによる蒸着装置であり、大面積中性子鏡の製作や特殊試料保持器具を利用する場合に利用されている。直径約 1000 mm、高さ600 mmという大型真空容器を有しており、その中で110×350 mm²の中性子鏡が一度に8枚製作可能である。