熱特性実験装置

Thermal-Hydraulic Test Loop

熱特性実験装置は、昭和62~63年度に設置され、4つの実験用ループと附帯設備から構成されている。2つの沸騰実験用加熱ループ、断熱二相流ループ、液体金属加熱ループが使用可能で、様々な熱流動実験に対応可能である。沸騰実験用加熱ループには、電子制御式の大電流実験に対応した大型直流安定化電源(最大20 V、5000 A)が附設されており、定常伝熱実験のみでなく、急速な過渡伝熱実験などにも利用できる。断熱二相流ループでは、常温大気圧下の空気-水系二相流実験が可能であり、二相流計測技術の高度化や新たな計測手法の開発などに用いている。液体金属加熱ループは、次世代原子炉の安全解析に必要となる鉛ビスマス流動実験に利用している。

計測装置としては、高速度ビデオカメラなどの流体可視化装置やワイヤーメッシュセンサ、レーザー変位計などを備え、幅広い実験の要求に対応できるよう整備している。

これらの装置は、所員自身の研究のみでなく、平成元年度より共同利用にも供され、神戸大学、関西大学、東京海洋大学などの研究者との共同研究が行われている。平成15年度には実験室を移転し、現在は工場横の熱特性実験室内で共同利用を含む実験を行っている。

熱特性実験装置と実験室風景

熱特性実験装置と実験室風景