国際交流

複合原子力科学研究所は、全国大学共同利用研究所として、国内の大学及び研究機関から数多くの研究者や大学院学生を受け入れている。一方、海外との学術交流も年とともに盛んになり、その活動範囲は多岐にわたっている。ここでは、複合原子力科学研究所における最近の国際交流についての概要を紹介する。

複合原子力科学研究所国際交流委員会

平成2年(1990)4月に、原子炉実験所国際交流委員会が設置され、部局間学術交流協定、国際共同研究、及び研究者・留学生の受入れなど、複合原子力科学研究所の国際交流にかかわる諸問題について審議検討する態勢が整えられた。

部局間協定

表1  部局間協定等締結相手研究機関

国名 部局間協定等締結相手機関名 締結年
インドネシア インドネシア原子力庁科学技術推進センター(Center of Science and technology accelerator, National nuclear energy agency) 平成26年(2014)11月10日
タイ ナレスアン大学 再生可能エネルギー・スマートグリッド技術学部(The School of Renewable Energy and Smart Grid Technology, Naresuan University) 令和2年(2020)1月28日
モンクット王工科大学ラートクラバン校(KMITL) 理学部(The Faculty of Science of King Mongkut’s Institute of Technology Ladkrabang) 令和2年(2020)3月3日
ナコーンパトムラチャパット大学理工学部(Faculty of Science and Technology, Nakhon Pathom Rajabhat University) 令和3年(2021)3月23日
大韓民国 浦項工科大学校物理学科(Physics Department, The Pohang University of Science and Technology) 平成12年(2000)3月23日
慶熙大学校テクノ工学部(Collage of Advanced Technology, Kyung Hee University) 平成15年(2003)7月1日
漢陽大学校工学部(Hanyang University) 平成16年(2004)10月19日
朝鮮大学校工学部(Engineering College Chosun University) 平成17年(2005)7月28日
韓国原子力研究院高中性子束利用研究炉研究センター

(HANARO Application research Center,

Korea Atomic Energy research Institute)

平成17年(2005)12月21日
済州大学校工学部(Cheongju University) 平成19年(2007)5月22日
ソウル大学校工学部(Seoul National University) 平成20年(2008)6月2日
韓国科学技術院工学部(Korea Advanced Institute of Science and Technology) 平成20年(2008)6月4日
東国大学校エネルギー・環境学部(Dongguk University) 平成20年(2008)6月5日
大邱カトリック大学校保健科学部(College of Health Science,

Catholic University of Daegu)

平成22年(2010)1月20日
順天卿大学校・工学部(College Of Engineering,Soonchunhyang University) 平成22年(2010)6月30日
蔚山科学技術大学校先進原子力技術工学研究センター(Center for Evolutionary Nuclear Technology and Engineering Research Ulsan National Institute of Science and Technology) 平成23年(2011)10月7日
建国大学校医療生命学部(College of Biomedical and Health Sciences, Konkuk University) 平成23年(2011)10月5日
成均館大学校理学部(College of Science, Sungkyunkwan University) 平成24年(2012)6月4日
浦項工科大学校先端原子力工学部(Division of Advanced Nuclear Engineering, Pohang University of Science and Technology) 平成24年(2012)11月19日
韓国原子力研究院・核データセンター(The Nuclear Data Center, Korea Atomic Energy Research Institute) 平成26年(2014)7月14日
世宗大学校 工学部(College of Engineering, Sejong University) 平成28年(2016)2月11日
原子力協力財団(Korea Nuclear International Cooperation Foundation) 平成28年(2016)12月19日
釜山大学校 工学部(College of Engineering, Pusan National University) 令和2年(2020)4月16日
台湾 国立清華大学原子核科学技術開発センター(Nuclear Science and Technology Development Center,National Tsing Hua University) 平成22年(2010)3月22日
中華人民共和国 西安交通大学エネルギー・動力工学部(西安交通大学能源与動力工程学院) 平成9年(1997)5月27日
中国科学院プラズマ物理研究所(The Institute of Plasma Physics, Academia Sinica) 平成11年(1999)3月16日
中国原子能科学研究院物理研究所(Department of Nuclear Physics, China Institute of Atomic Energy) 平成13年(2001)7月3日
中国科学院近代物理研究所(Institute of Modern Physics, China Academy of Sciences) 平成26年(2014)1月24日
中国科学院核能安全技術研究所(Institute of Nuclear Energy Safety Technology, Chinese Academy of Sciences) 平成26年(2014)3月24日
合肥工業大学材料工学研究科(School of Materials Science & Engineering, Hefei University of Technology) 平成27年(2015)7月23日
南華大学湖南省核燃料サイクル技術と設備共同イノベーションセンター(Hunan Provincial Cooperative Innovation Center for Nuclear Fuel  Cycle Technology and Equipment) 平成27年(2015)10月27日
中国科学院高エネルギー物理研究所(Institute of High Energy Physics, Chinese Academy of Science) 平成29年(2017)7月25日
大連理工大学 物理学部(School of Physics, Dalian University of Technology) 平成30年(2018)1月24日
バングラデシュ バングラデシュ原子力委員会・エネルギー科学研究所(Institute for Energy Science (IES), Bangladesh Atomic Energy Commission (BAEC)) 令和3年(2021)12月20日
アメリカ合衆国 ミズーリ大学原子炉施設(Research Reactor Facility, University of Missouri) 昭和62年(1987)4月10日
ミシガン大学フェニックス原子炉研究所(Phoenix Research Reactor Laboratory, University of Michigan) 昭和62年(1987)11月24日
オハイオ州立大学原子炉研究所(Nuclear Reactor Laboratory, Ohio State University) 昭和62年(1987)4月10日
マサチューセッツ工科大学原子炉実験所(Nuclear Reactor Laboratory, Massachusetts Institute of Technology) 昭和63年(1988)4月27日
カリフォルニア大学バークレー校工学部(The College of Engineering, University of California, Berkeley) 昭和63年 (1988)12月23日
ロードアイランド大学総合工学部(College of Arts and Science, University of Rhode Island) 平成3年(1991)3月28日
カナダ マクマスター大学工学部(The Faculty of Engineering, McMaster University) 平成8年(1996)4月11日
アルゼンチン共和国 クヨ大学バルセイロ大学院(El Instituto Balseiro, Universidad de Cuyo) 昭和63年(1988)10月7日
英国 ラザフォードアップルトン研究所科学技術協会(加速医科学技術センター)( Institute of Modern Physics, China Academy of Sciences) 平成26年(2014)3月31日
英国・日本 ブリストル大学 South West Nuclear Hub、東京工業大学 科学技術創成研究院 先導原子力研究所 令和2年(2020)3月23日
オランダ デルフト工科大学原子炉実験所(The Interfaculty Reactor Institute, Delft University of Technology) 平成10年(1998)10月23日
スイス ポール・シェラー研究所中性子・ミュオン研究部及び理化学研究所光量子工学研究領域(Paul Scherrer Institute (Research with Neutrons and Muons Division)、The RIKEN Center for Advanced Photonics) 平成29年(2017)3月13日
スウェーデン チャルマース工科大学(Chalmers University of Technology) 平成12年(2000)3月27日
チェコ共和国 チェコ工科大学原子力・物理工学部(Faculty of Nuclear Science and Physical Engineering, Czech Technical University) 平成24年(2012)10月9日
ドイツ ドレスデン工科大学動力工学研究所(Technische Universität Dresden Institut of Power Engineering) 平成24年(2012)10月4日

これらの覚書においては、研究用原子炉を用いた研究の推進及びこれらに関連した技術開発、並びに原子力工学及びこれに関連した教育について、両者の間において協力と交流を促進することを目的としている。

国際共同研究

現在、複合原子力科学研究所において、進行中の国際共同研究は8件で、次のとおりである。

  1. NRVS of mononuclear and binuclear non-heme iron enzyme intermediates
    and related model complexes
  2. The influence of Ni on the oxygen redox processes in Li – ion batteries
  3. 原子炉物理及び原子炉工学、原子力計測、核的測定技術による熱水力の研究、物質の照射効果などの分野における研究
  4. 二酸化炭素冷媒の沸騰熱伝達に関する研究
  5. 界面積濃度輸送方程式の開発に関する研究
  6. サブクール沸騰流における界面積濃度構成方程式の開発
  7. 宇宙線生成核種の中性子反応断面積の測定
  8. BNCTに係る諸課題の共同研究

研究者の交流及び留学生の受入れ

表2 留学生・外国人研究者の受け入れと教職員等の海外派遣

2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
留学生 2 4 3 3 0 1 5
外国人研究者 6 7 2 0 0 6 3
教職員等の海外派遣者 102 122 120 0 0 42 56
error: Content is protected !!