配属先と主な業務内容-臨界装置部-

臨界装置部では、主に京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)の運転業務、保守管理業務、検査対応業務を行っています。

KUCAは低出力(最大出力100W)の原子炉で、原子炉の核特性に関する基礎研究、開発研究および教育訓練を行うことを目的としています。KUCAには3つの炉心(固体減速架台A架台・B架台、軽水減速架台C架台)があり、実験内容によってその炉心を使い分ける事ができます。

臨界装置部の業務内容

臨界装置部の代表的な業務を簡単に紹介します。


・運転

オペレーターはモニタや計装機器で状態を監視しながら制御棒を操作し、実験内容に応じた原子炉の状態(臨界・未臨界の移行や出力調整)になるよう調整します。安全な利用運転のため、起動前・運転中・終了時に点検も行い、原子炉の状態や設備異常の有無などを確認します。

さらに、KUCAは実験内容に応じた炉心の選択や燃料体の組立・配置が多様という特徴を持つため、炉心の切り替え、燃料の組み立て、炉心配置変更といった作業を運転の前後や合間に行うこともあります。


・保守管理

運転日以外にも定期的に施設・設備の点検を行い、設備の不調があれば調整したり業者を手配したりします。実験で使用する物品や薬品の管理もしています。また、設備の更新に際して原子力規制庁への申請が必要な場合には、申請書類の作成も行います(設工認申請など)。


・検査対応

KUCAには、原子炉の健全性確認のため年に1度の検査(定期事業者検査)が義務付けられています。

臨界装置部員は検査を受けるにあたって必要な品質保証書類の準備や、検査に用いる計測機器等の校正・管理、装置等に異常がないかを事前に確認する点検を行っています。また、検査当日は検査手順に従って原子炉の運転や対象機器の操作等、様々な対応をします。