配属先と主な業務内容-実験設備管理部-

実験設備管理部は、原子炉以外の研究施設や実験施設・装置の運営と保守管理を所掌しています。所属する技術職員は実験棟であるホットラボラトリーやトレーサ棟、中性子発生装置(電子線型加速器施設)やFFAG(Fixed Field Alternating Gradient : 固定磁場強収束)加速器、ガンマ線照射施設、研究用原子炉(KUR)周辺の中性子実験装置や照射装置の一部の運用と保守管理を行っています。また、研究所内の工場での機械工作、研究所内のネットワーク・情報セキュリティの運用に関する支援やWebサイトの運用なども担っています。このように放射性同位元素、核燃料物質、放射線を利用する広範な研究・教育を様々な面で支えています。

実験設備管理部の業務内容

・ホットラボ、トレーサ棟班

放射性同位元素の使用できる実験棟である、KUR に隣接するホットラボラトリー、種々の化学・物理・生物実験の行うためのトレーサ棟の維持管理、圧気輸送管照射設備などのKURで中性子照射するための各種照射設備や、照射試料をγ線スペクトロメトリーするためのゲルマニウム半導体検出器などの実験機器の運用保守を行っています。また、これらの施設、設備を利用する研究所内外の研究者に研究・技術を支援しています。


・中性子発生装置、γ線照射施設班

KURと同じく全国共同利用施設である電子線型加速器、γ線照射装置およびこれらに付属する施設の保守管理を行っています。電子線型加速器は加速管に高周波電力(マイクロ波)を供給し、電子を常にマイクロ波の頂上付近にいるように加速管に入射することで最大46 MeVまで加速させる装置です。電子線や中性子線のみならず、制動X線、THz放射光源など多種多様な量子ビーム源として、材料照射、核データ、RI製造、光源開発などの実験に利用されています。γ線照射装置は放射性同位元素コバルト-60を線源として最高で36 kGy/hの線量率でのγ線照射が可能な装置で、材料照射や動物照射など幅広く利用されています。どちらも非常に高線量の実験環境となりますので、安全に実験ができるよう、安全装置の点検、装置の部品交換などのメンテナンスを行っています。また、各種実験に応じた運転や、実験条件に関する相談も受けています。


・原子炉周辺装置班

KUR周辺の中性子実験設備(実験孔(4本)、照射孔(4本)、熱中性子設備(重水、黒鉛)、貫通孔)に付属する計測制御システム、安全装置などの開発依頼を引き受けています。また、重水中性子照射設備などのについて、コンクリート遮蔽体のクレーン移動を伴う内部機構の開放点検、保守作業も行っています。


・工場班

汎用製品への追加工から新規製品の設計・製作など、一般的な金属および樹脂材料を中心とした工作を広く手がけ、研究者の要求に迅速に対応し研究を支援しています。新しい装置開発時には、設計する段階で製作者の立場からコメントし、要求される性能を実現するなど研究支援組織としての重要な役割を果たしています。また、要望に応じた工作機械の使用方法の指導や、マシニングセンタを用いた製作、実験室やKUR炉室などへ出張しての現場加工作業なども行っています。


・陽子加速器管理室

FFAG(Fixed Field Alternating Gradient : 固定磁場強収束)加速器の運転、保守管理を行っています。安全、安定に運転するための各種制御機器や冷却設備、インターロック機構、真空機器などの開発に係わる技術支援や機能維持のための業務を行っています。