放射線管理部 前本さん

1日のスケジュール

時刻                 内容
8:30           メールチェック・業務予定の整理
 メールのチェック、業務を整理して1日の大まかな計画を立てます。
9:00           放射線モニタ指示値の確認・記録
 所内の放射線モニタを回り、規定等で定められたポイントの放射線モニタの作動状態及び指示値を確認し、記録します。このときに、ただ記録するだけでなく、指示値の変化や異常に気づくことが大切です。
10:00           原子炉運転中の放射線量率の測定
 原子炉が運転中のときは、原子炉室内の作業場所で空間線量率(空間中の放射線量のこと)を測定して、基準値を超えていないことを確認します。
12:00                 昼食
 基本はお弁当を持参しデスクで食事をしています。また、音楽を聞く、仮眠を取るなど、自由にリフレッシュしています。
13:00            管理区域からの物品持出検査
 管理区域から管理区域外に放射性物質で汚染した物品を持ち出さないよう、放射線測定器を用いて物品の汚染検査を行っています。
 物品の使用場所や使用方法によって用いる放射線測定器や測定方法が変わるため、適切な方法で測定することが大切です。
14:00            放射線測定器のメンテナンス
 放射線測定機器を適切に管理するため、フィルタ部の定期的な交換などのメンテナンスを行っています。
15:00              作業報告書の作成
 作業報告書を作成し報告します。作成した報告書を確認してもらうなかで、不足していた知識や考え方を学んでいます。
16:45            メールチェック・業務の整理
 メールを確認して、残っている業務の整理を行います。どうしても、急ぎの業務以外は翌日に回します。
17:15                 退所
 職場から自転車で10分ほどの距離に住んでいるため、定時の場合は、17:30には自宅で家族との時間を過ごしています。

複合研に就職したきっかけを教えてください。

 近畿地区国立大学法人統一試験の一次試験合格後、機関訪問に伺ったことがきっかけです。この訪問以前は、この研究所では原子力エネルギーに関する研究をしているのかな、と漠然と思っていました。しかし、原子核反応で発生する中性子を使ってガン治療を行うBNCTといった、訪問前には想像もしなかった原子力や放射線利用の一面を知り、この研究所に興味を持ち、採用試験に申し込みました。

就職前から就職後はどのような変化がありましたか?

 就職前は原子力や放射線に対する知識が一切無かったため、業務をこなせるかという不安がありました。
しかし、実際に放射線について教えてもらいながら、放射線モニタの点検や原子炉の運転の業務に関わっていく中で、原子力や放射線に関する知識を深めていくことができ、不安は軽減されていきました。どのように放射線を測定するのか、どのような性質を利用しているのかなど、日々わかることが増えていき、非常にやりがいや達成感を感じることができました。

所属している放射線管理部の紹介をお願いします。

 私の所属している放射線管理部は、所員、共同利用者及び地域住民の安全安心を守るための大切な部署で、放射線管理施設の保全並びに原子炉施設、放射線施設及び核燃料物質等の放射線管理を行っています。また、放射線管理部は①屋内管理班、②野外管理班、③個人管理班の3つの班で構成されており、任務分担を行っています。その中でも、私の所属している屋内管理班の代表的な業務を挙げてみます。
放射線モニタの巡視点検や管理区域内で放射性物質による汚染状況を確認することが定常的な業務となります。非定常的な業務として、放射線測定器の点検・校正や研究炉の起動時の警報動作点検を挙げることができます。

統一試験合格者の方へアドバイスをお願いします。

 時間が許す限り、実際に足を運んで機関訪問するのが良いと思います。実際の職場の様子や働いている人を見ることで、より具体的な働く姿がイメージできると思います。

今後の展望を教えてください。

 適切な放射線管理を行うために、放射線物質に関する知識や取扱い経験、施設利用者との情報交換や法令に関する幅広い知識など、さまざまなものが必要となります。まだまだ知識や経験が少ないので、日々の業務を通じて精進していきたいです。