ミュオン原子の生成

ミュオン原子とは電子の代わりにミュオンが束縛された原子のことです。ミュオンが電子より200倍重い事から電子に比べて原子核にずっと近い位置を回るため、原子核の電荷分布を知るための探索子として有効です。不安定核でミュオン原子をつくることで不安定な原子核の電荷分布を測定することができ、不安定核の構造に関する重要な知見を得ることができます。
我々のグループはKEKグループ・理研グループと共同で、イギリスのラザフォード研究所(RAL)のシンクロトロンで発生したミュオンを使った不安定核でのミュオン原子生成のための基礎実験を行っています。ISOLを開発運転して来た我々のテクニックを活かし、目的核を蓄積したターゲットを生成、そこにミュオンを照射し原子核がミュオンを捕獲することでミュオン原子を生成しています。

ミュオン原子を使う意義。ミュオンは質量が大きい分電子よりも原子核に近づいた軌道をとる。

RALのビームラインの様子。800 MeVシンクロトロンで加速した陽子ビームでミュオンと中性子を発生させる事が出来る。ミュオン生成のターゲットには炭素を使用。

RALにある理研のミュオン実験用ビームラインの様子。

ミュオン原子生成の実験を行っているPort4の様子。

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